解体診處を作るにあたって

「解体工事業」の新設

平成26年3月、許可に係る業種区分の見直しにより「解体工事業」の追加を含む建設業法等の一部を改正する法律案が閣議決定されました。これにより解体工事業は、従来の「とび・土木・コンクリート工事」から分離され、1件500万円以上の解体工事を実施する場合には許可取得が必要となります。今後、専門の技術者資格も設定されると思われます。

場当たり的な「解体技術」

しかしながら建築技術に比べて、解体工事の技術に関するアプローチが論じられているケースは圧倒的に少なく、事例ごとに解体情報が解体工事を実施した企業の紙ファイルの中にストックされていることが殆どです。大学等研究機関でも解体に関しての専門的な研究・授業があまり体系化されておらず、解体は企業や個人への知識・技術が属してしまっているのが現状であり、「ただ壊す」だけの解体となってしまう恐れがあります。

未来の為に「解体」の体系化と英知の結集を

東日本大震災による福島での悲しい原発事故以来、原子力発電所・原子炉の解体は国内・国外の専門家が動員され、自体の収束・解体計画を練っています。彼らの多くは原子力発電・放射線に関わる専門家であり、プラント構造物の解体専門家が参加している例は皆無であると思われます。解体、特に石油化学コンビナート等のプラント解体においては、アスベストやPCB などの危険物質を安全に除去しながら構造物の解体を進めるという作業工程が組まれます。化学的な知識を動員しながら、物理的な解体を行うようなアプローチを体系化すること、すなわち「工法化」という形に落とし込むことが必要となっています。

WEB サイト「解体診處」について

本WEB サイトはマンガを使って、普段解体とは関係の無い一般の社会人や学生にも興味を持ってもらい、理解してもらい易い内容となっています。「解体診處」という名前は、ご承知の通り江戸時代に杉田玄白らが翻訳した「解体新書」に由来します。出来るだけ多くの人に「解体」に興味を持って頂き、その英知を集めて体系化し今後の日本、世界の未来に貢献できれば、これほど喜ばしいことはありません。どうぞ、本WEB サイト「解体診處」を端から端までご覧ください。

解体診處 編者 吉野 佳秀

漫画制作について

石井 モモコ(漫画家・イラストレーター)・作
集英社月刊YOU にて4 コマ漫画「新婚メシ」連載中。
HP http://shonenkankei.com

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